渋治の書庫

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2018-01-13から1日間の記事一覧

渡り

おとうさま あのひとは どうして あちらをむいたり こちらをむいたり ばかりしているの 娘や あの人は あちらを向いたら こちらが こちらを向いたら あちらが気になって 仕方がないのだよ おとうさま あのひとは いつになったら わたることが できるの 娘や …

五行歌

-梅日和- 船頭さんは 流します あたしとあの人の 儚かないひとときを 梅香に乗せて -背中- その広い背中 抱きしめずに いられない 少しだけ もう少しだけ -木漏れ日- 縁側に 布団と三毛と おまいさんがいる チラチラ木漏れ日 しあわせよ -夜 道- 走…

影法師

走っても 走っても 走っても 走っても… 本をここから あそこに移動 させた 鍋を磨いた 冷蔵庫を開けた 耳を塞いだ 髪をといた ディップを つけた 金を持った 火をチェック した 階段を駆け 下りた 又戻った ノブを回した 指差し確認した ドアを閉めた 風を吸…

センチメンタル

麻子はたくさんの咳をし ましたから、同い年のと なりの都ちゃんは怖くて 怖くてしかたなかったの です。 ……あさちゃんはなんで いつもおかおがあかいの。 なんでコホコホばかりし ているの。…… 生まれたてのほわほわの 産毛をまといメジロのよ うにくりくり…