渋治の書庫

渋治の書庫

メンテ中

影法師


走っても
 走っても
走っても
 走っても…





本をここから
あそこに移動
させた
鍋を磨いた
冷蔵庫を開けた
耳を塞いだ
髪をといた 
ディップを
つけた
金を持った
火をチェック
した
階段を駆け
下りた
又戻った
ノブを回した 
指差し確認した
ドアを閉めた
風を吸った
本屋に寄った
ページを捲った
トマトを触った
冷たくて気持ち良かった
アクセルを踏んだ
音楽をかけた
橋を渡った
見知らぬ土地に着いた




景色が変わった
空気が変わった




もう 着いてこない?
もう 大丈夫?




TVを見た
本を見た
けんかした
仲直りした
季節が変わった
電話が鳴った
ジェット音が
頭の中を通り過ぎた




走っても 走っても
走っても 走っても




耳を塞いでも目を閉じても
ドアを開けても本を左にや
っても植木を持ち上げても
楽しくても
泣いていても
嬉しくても
幸せでも
走っても走っても
走っても走っても走っても走っても・・・・・・





ついてくる 影法師